日本茶輸出貿易の先駆者ー大浦けい居宅跡
長崎市浜町商店街とその周辺の史跡巡り。2回目は楠本イネ、道永栄と並ぶ「長崎三女傑」のひとり、大浦慶(けい)居宅跡です。
慶は、文政11年(1828)に長崎の油商の娘として生まれます。
嘉永6年(1853)、慶は嬉野茶のサンプルを出島のオランダ商人を通じてイギリス、アメリカ、アラビアの3か国に送ります。3年後の安政3年(1856)、イギリス人商人オルトとの間で、1万斤(6トン)の貿易が成功。この時嬉野茶だけでは足りず、九州一円から集めたとされています。以後、日本茶の輸出で膨大な利益を得ました。
※長崎県内最大のお茶産地東彼杵(ひがしそのぎ)町にも買い付けに来た話が残っています。ちなみにこの町で採れるお茶はその昔「嬉野茶」で売られていましたが、現在は「そのぎ茶」のブランド名で出ています。
明治4年(1871)、元熊本藩士遠山一也がオルト商会との間で行った煙草取引の連帯保証人になったことで、慶は破産に追い込まれました。晩年は不遇だったようですが、死の直前の明治17年(1884)、茶貿易の功労を賞され、褒賞状と功労金を送られています。
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