旧石器時代の炉の跡発見‐福井洞穴発掘調査現地説明会
福井洞穴については2012.12.04にアップしていますが、その記事で触れた「重要な遺構」について発表されたので、見学に行ってみました。
(写真をクリックすると拡大します)
今回発見された「炉の跡」。約1万6千年~8千年前、旧石器人が火を焚いた後です。右の写真は、12月4日に載せたかった写真(汗)です。赤いところが焼けた石、黒いところが炭や焼けた土です。黒曜石の破片もありました。
この遺跡の住人は定住生活をしていたと云う事のようです。
「炉の跡」のさらに下に、「礫が集中した跡」が出てきました。外国の洞穴遺跡では、礫を床に敷き詰める事例があるそうですが、この国にはまだ発見例がありません。
はたして新発見の遺構なのか、自然のなせる業なのか?今後の研究が俟たれます。ちなみに左上の部分が少しくぼんでいるのは、落盤で巨石が落ちてきた跡だとか。
今回の調査は、50年前に掘った同じ場所を掘り返して、さらに掘り進むと云う方法をとっています。上層はかく乱層ですが、そこから50年前の調査で回収し忘れたと思われるものが出ています。
泉福寺洞穴の「豆粒紋土器」が出るまで、いちばん古いと云われた「隆起線紋土器」の小さな破片がありました。残念ながら、前回の採り忘れだとか。
会場では、50年前のノートや写真も展示されていました。岩宿遺跡を発見した相沢忠洋氏をはじめ著名な考古学者、後に考古学者になる少年まで多くの人が訪れています。
上は今回新たに見つかった遺物です。層ごとに整理されています。
哺乳類の骨だそうです。顕微鏡で観察するほどの小さな破片です。
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