東彼杵町のキリシタン墓碑
先日紹介した庄屋公園の片隅に二つの石碑が安置されています。長崎県指定有形文化財に指定されているキリシタン墓碑です。元個人の敷地にあったものですが、数年前にこちらへ移転したそうです。
指定は2基1セットなのですが、一説によるキリシタン墓碑は左の小さいほうで、右の墓碑は仏式だそうです。たしかに、右の墓碑には梵字らしきものが彫られています。
左の墓碑は風化が進んで見えにくいのですが、花十字と「元和7年卯月一瀬志ゆ阿ん(いちのせジュアン)」の銘が彫られています。
慶長7年(1602)、大村藩でも初代藩主で大村純忠の子である善前(よしあき)が日蓮宗に改宗し、キリシタンへの弾圧が始まります。元和2年に初代藩主善前、5年に2代藩主純頼(すみより)が相次いで亡くなります。これにはキリシタンによる毒殺説がささやかれています。弾圧はさらに厳しくなり、元和8年(1622)元和の大殉教にいたります。
県内の残るキリシタン墓碑は無紋無銘が多く、花十字、年号、銘が入ったものは少なく、キリシタン資料として貴重です。
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